取材・インタビューはやり直しが聞きません。本番一発勝負で、取材対象者という相手があって成り立つものですので、取材対象者が気持ちよく話してもらうことが何よりも大切ですし、それを素晴らしい記事にまとめることが大切です。
この記事では、取材・インタビューに慣れていない新人ライターさんや、急遽取材・インタビューをしなければならなかった方のために、失敗しない取材・インタビューのコツをまとめます。
イントロダクション
取材・インタビューの一番の肝は、対象者からどうやって本音を引き出すか、という点につきます。
想定質問を作成して、それを上から順番に聞いていくだけの取材であるならば、メールで文章で質問をして、文章で返してもらえばいいだけのこと。取材という形で同じ時間・空間を過ごす意味はありません。
もちろん、事前の準備は必要ですが、取材対象者の表情や仕草から、言葉の裏にあるものを見つけて、取材対象者自身でも気づいていなかった”何か”を一緒に見つけることができたら、インタビュアー冥利に尽きますよね。
インタビュー前の準備
よい取材のためには、事前の準備が何よりも大切です。取材前に確認すべきこと、まとめておきます。
インタビューの目的と目標を明確にする
最初に行うべきことは、インタビューで何を知りたいのか、どのような情報を得たいのかを明確にしておきましょう。採用サイトの社長インタビューであれば、会社がどのように成長していて、今、どんな社員を求めているのか、商品紹介ページの開発者インタビューであれば、開発者のどのような思いを届けたいのか。
インタビューの依頼主(代理店や広報の方)とも事前にイメージをすり合わせておくことが、スムーズな取材・インタビューの第一歩になります。
取材対象者の事前情報を調べておく
これまでに他媒体でのインタビューが掲載されている社長や広報パーソンの場合、必ず掲載媒体には目を通しておきましょう。
インタビュアーにとっては、はじめて聞くことであっても、取材慣れした取材対象者にとっては、同じ話を何度も取材でしている、ということがあります。もちろん、重複する部分があるのはやむを得ない部分がありますが、切り口を変えた質問をぶつけてみる、など、取材時間が取材対象者にとっても、有意義な時間になるように、過去の発言は確認しておく必要があります。
取材対象者のフェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどのアカウントがあれば、そちらも事前に確認をしておいて下さい。
取材の本筋ではなかったとしても、取材対象者の趣味・志向を知っておくと、意外な共通点が見つかって話が弾むことがあります。
年齢が近い、地元が同じ、同じ趣味を持っている、同じ観光地や飲食店に行ったことがある、など、ちょっとした共通点を見つけておくと、当日も取材がしやすくなります。
業界動向についても調べておく
企業インタビューの場合、企業の歴史、業績、戦略、製品・サービスについて調査したり、業界の動向や競合他社、市場の変化についても把握しておくことが重要です。
もちろん、その道の専門家でないので、取材対象者と同じレベルの知識は必要ありませんが、全く知識のない状態で取材にならない、では、取材対象者に対しても失礼です。
取材時に聞きたい質問を用意する
一問一答のように、ギチギチの質問を用意する必要はありませんが、取材後に、「これを聞くべきだった」とならないために、事前に聞くべきことをまとめておく必要があります。
インタビューの目的と目標に合わせて、聞くべきことや、事前調査で気になったことをまとめておくと、いざというときに役立ちます。
インタビューの進行と時間管理
インタビュー時間は決められています。もちろん、取材時間が長ければ長いほどいい、というわけではありませんが、時間切れになって聞きたいことが聞けなかった、ということがないように、聞くべき質問を優先するように、進行するようにしましょう。
また、取材時間に写真撮影などが含まれている場合は、段取りの確認もしておく必要があります。取材前に撮影をするのか、取材後、なのかなどによって、取材時間が想定よりも短くなる、というケースも考えられます。
最初の質問、導入だけは絶対に準備を
取材は相手の回答次第でどのような流れになるか、わかりませんが、インタビュアー側の質問からスタートするわけですから、最初の質問はこちら側からです。
取材対象者と向き合って、「よろしくお願いします」とあいさつしたあとの、導入の流れだけはきちんと準備しておくべきです。
いきなり、「これまでで一番苦労したことは?」「御社のサービスのウリは?」などの質問をされても、取材対象者が応えられるわけはないので、アイスブレイクの会話を通じて、話がしやすい環境を整えてあげることが大切です。
趣味の話や共通点を見つけておくと、取材対象者に対して、話安い空気を作ることができます。
録音・録画機器の確認
インタビューの内容を正確に記録するため、録音機器の準備や確認を行いましょう。あとから、発言内容を確認する意味でも、自身の備忘録としても、録音は必要です。
レコーダーやスマートフォンの録音機能などを利用するかと思いますが、電池切れや容量オーバーなどで当日トラブルにならないように、入念に準備を。
インタビュー時のポイント
事前準備をきちんとした上で、いよいよ取材当日です。大前提として、一番大切なことは、コミィニケーションであり、会話がきちんとできるか、です。きちんと質問をして、その回答を受けた上で、別の質問をする、という会話のチャッチボールの繰り返しができるか、がポイントです。
当日に注意すべきポイントについてまとめます。
訪問時からインタビューは始まっている
インタビューが始まる前から、取材は始まっています。
たとえば、企業取材の場合、受付を通り、広報担当者とともに取材対象者の元に向かい、挨拶をし、名刺交換、という流れが一般的ですが、このときに、社内の様子や取材対象者のデスクや服装など、インタビュー前の時間から、人となりを抑えておきましょう。
礼儀正しい態度で接する
ごくごく当たり前のことですが、服装や身だしなみ、言葉使いなど礼儀正しい態度で、取材対象者はもちろん、同行者にも接しましょう。派手な服装やメイク、持ち物などもなるべく避け、インタビューに入る前から、「この人なら話やすそうだ」と対象者が思ってくれるように、心がけましょう。
録音・録画機器の使用許可を取る
インタビューの記録のために、録音機器を使用する場合は、事前に許可を取りましょう。また、機器が正常に動作していることを確認しておくことが大切です。
取材する側にとっては、当たり前のことですが、取材慣れをしていない方の場合、いきなりレコーダーが回り始めると、驚くもの。ひとこと、記録用に録音させていただきますね、と言うだけで、相手の印象も和らぎます。
インタビューの目的を明確に伝える
インタビューの冒頭で、目的や取材記事の概要を明確に伝えましょう。
取材対象者とのあいだに、広報担当者が入っている場合や、関係者間できちんと情報が共有されていないと、何のための取材なのか、があやふやになり、取材対象者も何を答えていいのか、混乱してしまう場合があります。
今回は、採用のために、求人サイトに掲載する現役社員の声、ということで、〇〇さんにお話を伺えればと思っております。今の仕事について、会社について、ご自身のキャリアについて、などお話しいただければと思いますので、よろしくお願いします。
など。
取材時間を確認する
目的と合わせて、取材時間も確認しておくとベストです。
インタビュー時間として、〇時まで(〇時間)いただいておりますが、間違えないですよね、などなど。
万が一、取材が伸びそうになったとき、時間内に無理に収めるのか、〇分程度であれば、延長可能なのか、事前に把握しておくと、いざというときにスムーズです。
相手の言葉や表情に注意を払う
インタビュー中は、相手の表情や仕草からも情報を得られることがあります。そのため、言葉だけでなく、非言語的なコミュニケーションにも注意を払いましょう。そのためには、きちんと相手の目を見て、話を聞く必要があります。
インタビュー中に、ノートパソコンを開きながら、取材をするというライターさんもいらっしゃいますが、できれば、パソコンではなく、紙にメモをしつつ、きちんと相手の目を見て、取材をしたほうが無難です。
インタビューの進行と時間管理
取材対象者の回答に対して、さらに詳細を知りたい場合や、回答が曖昧な場合は、フォローアップの質問を行いましょう。ただし、相手が不快に感じる質問は避けるようにしましょう。インタビューは対話の場であり、取材対象者と良好な関係を築くことが大切です。
質問の柔軟性を持つ
インタビュー中、社長から新たな情報が出た場合、その内容に対応した質問を追加することを検討しましょう。事前に質問のバリエーションを用意しておくことで、インタビューの目的に沿った質問を柔軟に行えます。
これらの注意点を抑えることで、社長インタビューがスムーズに進み、より有益な情報を得ることができます。
インタビュワーとしての個性をほどよく出す
同じ人物への取材だとしても、聞き手であるインタビュワーによって、取材内容は千差万別です。特に社長や役員などの取材慣れ、話慣れしている方は、インタビュワーに合わせて、話をして下さります。インタビュワーとして、色がない黒子に徹するというのも、ひとつの取材ライターのあり方ですが、〇〇さんだからこの話が聞けた!と言ってもらえるライターになるためには、ほどよく個性があるとよいです。
ただし、あくまで取材の主役は、取材対象者ですので、個性を出し過ぎるのは要注意です。
インタビュー後の取り組み
無事にインタビューが終わったら、次はそのインタビューを記事にしますが、ここでは、インタビュー終了から、記事公開までの流れをまとめます。
企業や取材対象者にお礼を伝える
インタビューが終わったら、まずは企業・取材対象者にお礼を伝えましょう。メールや電話で後日改めてお礼を述べることも好印象です。
取材対象者が、取材後に言い足りなかったこと、ということで、連絡をくれる、というケースもあります。
録音データのバックアップ
インタビューで使用した録音データを確実に保存し、バックアップを取ることが重要です。データの紛失や破損してしまっては、せっかくの取材が台無しです。
録音データの文字起こしはケースバイケース
取材原稿の執筆に慣れるまでは、取材時のテープ起こし・文字起こしをしたほうが安心です。発言の内容を文字にすることで、前後の関係がはっきりしたり、新しい気づきがあるケースもあります。(文字起こしのツールもそろってきているので、以前ほど文字起こしのコストも時間もかからなくなってきています)
取材原稿に慣れてしまえば、音源は確認程度に使う、というライターさんが多いように思います。どうせ録音しているから、と慢心してしまうのではなく、一言一句を聞き逃さないという姿勢で取材をするのが案外うまくいく取材だったりします。
インタビュー内容の整理・分析
インタビュー内容を振替し、重要なポイントや引用すべき部分を整理・分析しましょう。これをもとに、担当者・代理店・編集者の方々と意識のすり合わせをして、記事の構成を考えます。
取材対象者が発言したことであっても、これは掲載しないで欲しい だとか、この話をメインにして欲しい、などの要望があれば、それを踏まえた構成にしましょう。
もし長文の記事になるようであれば、事前に構成案を出して、先方の許可を取ったほうがいいかもしれません。
記事の執筆
インタビュー内容をもとに、記事を執筆します。読者にとってわかりやすく、興味深い内容になるように心掛けましょう。
このとき注意すべきポイントは、この記事が掲載される媒体は何か?読者は誰なのか、という点です。
同じ社長インタビューであっても、専門誌に掲載する場合と、新卒採用サイトに掲載する場合とでは、違う文章になるはずです。どこまでの知識を前提としているか、専門用語はどこまで使うか、注釈は入れるか、などなど。
取材対象者の思いが読者に届かなければ、せっかくの取材記事が台無しになりかねないので、読者のことを想像して記事を書きましょう。
内容の確認・チェック
執筆した記事に誤りがないか、事実や引用部分が正確であるかを再確認しましょう。必要に応じて、企業や取材対象者に内容の確認を依頼して下さい。
特に数字、年月や金額、等々は、間違えがないよう、取材時の録音音源などで確認をするようにしましょう。
記事の提出・公開
記事が完成したら、編集者や担当者に提出します。内容のチェック、いわゆる赤字が入り、原稿の出し戻し、修正をして納品をします。
通常、取材ライターの仕事はここまで、で、あとの作業については、編集者や担当者など別の方の役割になることが多いです。
記事完成の報告をもらう
記事が公開をされたら連絡をもらうように、編集者・担当者にはお願いしておきましょう。取材ライターとしてはやはり、自身の書いた原稿が掲載されるのはうれしいものですし、媒体に掲載されると、また原稿が違ってみえることがありますよ。
SNSなどでの記事の宣伝
記事が公開されたら、SNSなどで記事を宣伝し、より多くの人に読んでもらいましょう。ただし、事前にシェアをして問題ないかの確認はしておく必要があります。
成功するためのポイント
社長インタビューが成功するためのポイントをまとめて紹介
記事のターゲットや目的、社長とのコミュニケーションの重要性、記事の構成や執筆スタイルなどについて解説
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素晴らしい社長インタビュー事例〇選
事例&掲載URLへの(各媒体へのリンク)
結論
社長インタビューが成功するためのノウハウをまとめて紹介
読者に伝えたいメッセージや、今後の展望について紹介
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