美容室・美容師に取材するときのコツは?使える質問例やおすすめ記事も!

美容室や美容師さんへの取材は、その美容室の魅力や美容師業界のあるある、技術の裏側などに迫ることができる貴重な機会。
一般的にも多くの方の興味をそそる内容なので、良いインタビューをして魅力的な記事を作りたいですよね。

この記事では、美容室・美容師さんへの取材を成功させるためのポイント、実際にプロのライターが取材経験から得たインタビューのコツなどをご紹介します。

【こんな方におすすめ!】

  • はじめての美容室・美容師取材で、うまくインタビューできるか不安…。
  • オシャレに敏感とは言えない私。美容師さんと上手にコミュニケーションできる?
  • 読みごたえのある記事につながる美容室・美容師インタビューのコツを知りたい!

美容室・美容師取材の基本

まずは、美容室や美容師さんへの取材において、大前提として抑えておきたいポイントを解説します。

取材前にリサーチと準備を行う

美容室・美容師取材に限ったことではありませんが、良いインタビューをするためには事前のリサーチと準備が不可欠です。

リサーチや準備をしっかりと行っておくと、下記のようなメリットがあります。
・インタビュー中に重要な情報を聞き逃すリスクを軽減できる
・より深堀りした質問や、ユニークな視点からの質問ができる
・真剣に取材に取り組んでいることが伝わり、取材対象者からの信頼が得られる

その結果、より正確な情報を得られることはもちろん、読者の興味を引く魅力的な記事が書けるようになるのです。

取材目的に沿った質問リストを作成する

こちらも、すべての対人取材で基本となる部分です。
記事化するときに必要な情報をインタビューで網羅するために、取材目的に沿った質問を事前に準備しておきましょう。

美容室・美容師のインタビュー記事には、顧客向けの記事、同業者向けの記事、美容師志望の学生向けの記事など、さまざまな種類があります。
「誰に向けて、どのようなことを伝える記事なのか」を把握したうえで、インタビューの骨組みを作っておくと、取材の現場で焦らずに済みます。

質問リストがあれば、取材中に盛り上がって話が脱線した場合にも、頃合いを見計らって軌道修正することができますよ。

服装やメイクなど自身のビジュアルにも配慮する

美容室・美容師取材の際に、どのような服装・メイクで行くべきか悩む方は少なくないと思います。
相手は美容のプロであり、流行の最先端を行く存在…。「オシャレに自信がない」「ダサいと思われたらどうしよう…」など、不安になってしまいますよね。

しかし、取材は基本的にビジネス目的なので、それほど構える必要はないでしょう。
派手すぎるメイクや奇抜なファッションは、逆に引かれる可能性さえありますので、清潔でマナーを守った服装・メイクであれば問題ありません。

ただし、過度にかしこまった服装で臨むと、美容師さんと壁ができてしまうかもしれないので、トレンドのカラーや小物を取り入れてみるなどの小さな工夫がおすすめです。

美容室・美容師取材のコツ~①事前準備編~

それでは、美容師・美容室取材をより有意義にするためのコツを解説していきます。

「事前準備が大切なのはわかったけど、具体的にどんな準備をすればいいの?」
「美容やオシャレに疎い私でも、楽しくインタビューできる方法はあるの?」
「準備を徹底していたのに、スムーズに取材できなかったトラウマがあるんだけど…」

上記のようにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

業界のトレンドや美容師の技術について理解する

美容業界は常に進化しており、新しい技術やトレンドが登場しては入れ替わっています。
つまり、取材前に最新情報をリサーチしておかないと、話がまったく噛み合わなくなるリスクがあるのです。
また、リサーチで美容師の日常業務や技術について理解を深めておくと、質問の幅が広がるというメリットもあります。

美容業界や美容師独特の専門用語については、ある程度の知識を持っていたほうが良いと思いますが、インタビュー中の多用はおすすめしません。
あまり専門的になりすぎると、読者にとってわかりにくい記事になってしまったり、質問自体が複雑になり取材対象者が答えにくくなったりするからです。
あくまで前知識としてインプットしておく程度に留めましょう。

HPやSNSをチェックしておく

美容室の公式ウェブサイトやブログ、美容師のSNSアカウント等は、取材前に必ずチェックしておきましょう。

美容室のHPやブログには、スタイルやコンセプトに関する情報や写真が掲載されているので、取材時のアプローチや記事の方向性を考えるときに役立つはずです。
美容師やスタッフのプロフィール・経歴が紹介されていることも多く、専門分野や得意な技術、トレンドへの取り組み方なども知ることができます。

また、顧客の声や評価からは、美容室のサービスや技術の品質についての参考情報を得ることも可能です。
美容師さん個人のSNSアカウントがあれば、実際に作ったスタイルの写真や趣味などに関する投稿もチェックしておくと、会話がはずむきっかけを作ることができますよ。

取材依頼書や質問表を作成して共有する

対人取材では取材依頼書や質問表を作成し、取材対象者にも事前共有するのが一般的です。
取材の趣旨や目的を共有しておくことで、取材対象者も協力的な姿勢で取材に臨むことができるからです。
また、事前に質問表を渡しておけば、考えを整理して回答を準備する時間を取ってもらえるというメリットもあります。

質問表には、美容業界全体や美容室・美容師に関する興味深いトピック、事前にリサーチした情報を含めると良いでしょう。
ただし、取材依頼書や質問表を事前に送っても、どこまで熟読してもらえるかは相手次第。
美容室や美容師の仕事は多忙を極めることも多く、「サラっとしか読んでもらえていなかった」というケースも想定されるため、そのときは質問表を軸にして現場で対処しましょう。

美容室・美容師取材のコツ~②取材編~

次に、実際の取材現場における美容室・美容師インタビューのコツを解説します。
美容室・美容師へのインタビューでは、その場のペースにのまれて必要なことが聞けなかった、堅苦しい取材になって本音が聞き出せなかったなどの失敗が想定されます。

揺るぎない軸を保つ部分とフリーな雰囲気づくりのバランスが重要となりますので、これから挙げる3つのポイントを参考にしてみてください。

取材対象が「美容室 or 美容師」のどちらなのかを忘れない

取材・インタビューは生モノ。あらかじめ質問を準備していても、予期していなかった方向に話が進んでいくこともあります。
準備した質問への答えだけが必要なのであればメールで済むのですから、むしろ予期せぬ展開こそ取材の醍醐味であり、面白い記事を書くための重要なファクターなのです。

話が脱線するとインタビュアーはつい焦ってしまいますが、リスト化しておいた必須の項目さえ押さえることができていれば、あまり神経質にならなくても大丈夫。

ただし、そもそもの目的が美容室への取材なのか、美容師さん個人への取材なのかについては、常に心に刻んでおきましょう
たとえば美容室への取材で、インタビュイーである美容師個人のことしかヒアリングできていなければ、記事化の際に情報不足で苦労することになります。

リラックスした雰囲気をつくる

インタビューの現場では、雰囲気づくりが非常に重要です。
取材対象者がリラックスできる環境を作り、自然な対話が生まれやすくすることで、美容師や美容室のスタッフは本音を語れるようになります。

ただし、「リラックスできる雰囲気」というのは人それぞれに異なっているため、取材対象者によって個別の配慮が必要かもしれません。

美容室・美容師取材の難しいところは、相手がコミュニケーションのプロであること。
普段からたくさんのお客様と接しているので、本当は身構えたり緊張したりしていても、それをわかりやすく表に出す人は少ないです。
だからこそ、相手の様子を注意深く見ながら、話題の振り方や会話のテンポを考える必要があるでしょう。

臨機応変に対応する

美容師さんには個性や感覚・フィーリングを大切にしている人々が多く、それぞれのスタイルや特徴があります。
また、美容業界には多岐にわたる分野や専門領域があり、特定のトピックに関しても、さまざまなアプローチや見解が存在します。
そのため、事前に共有した質問を投げかけたとしても、まったく想定していなかった回答が返ってきたり、思いがけない方向に話が展開したりすることも珍しくありません。

そんなときは、わからないことは素直に尋ねながら、ある程度流れに任せてインタビューを続けましょう
取材対象者の個性やニーズに合わせた臨機応変な対応が重要なのは、すべての対人取材に言えることですが、美容室・美容師取材では特に意識しておきたいところです。

美容室・美容師取材のおすすめ質問例

美容室・美容室取材の事前準備およびインタビューのコツがわかったところで、記事化するとき役立つ質問をいくつかご紹介します。

効果的な質問はメディアの種類や読者層によっても異なるので、ケースバイケースでセレクトしてみてくださいね。

美容室の歴史や美容師の経歴について

プロフィールやサロンの基本情報を書くときに必須であり、記事の導入部分などにも使いやすい内容。
インタビューのウォーミングアップとしてもおすすめの質問です。

美容室への取材では、美容室の開業から現在までのプロセスや、なぜその立地を選んだのか等を聞くことで、読者は美容室への理解を深めることができます。
美容室の魅力をPRする記事では、インテリアや設備へのこだわり等を聞いてみるのも良いですね。

美容師さん個人への取材では、美容師になりたいと思ったきっかけや、学生時代・見習い時代のこと、美容師としての経験についてヒアリングすると良いでしょう。

美容室・美容師が得意なスタイルや施術について

美容室のPR記事や美容師さん個人の紹介記事では、得意としているスタイルや施術について尋ねてみましょう。
幅広いニーズに応えてくれるスゴ腕の美容室・美容師さんでも、「これには特に自信がある!」という得意分野を持っているものです。

オフィシャルブログで得意分野を発信し続けたところ、全国からお客さんが集まるようになったという美容室も実際に存在しますから、アピールしない手はありません。
また、取材対象者としても話しやすく楽しい話題なので、インタビューの場が盛り上がりますよ。

美容室・美容師が大切にしているマインドについて

顧客向けの記事、同業者向けの記事、ビジネス系の記事、美容師志望の学生向けの記事など、どのタイプの記事にも使える質問です。
お客様に満足してもらうために心がけていること、美容師としての自己成長や技術向上に対する考え、美容業界で成功する秘訣など、あらゆる角度からのアプローチが可能です。

これらは、美容室・美容師としての基本的な理念や方針はもちろん、美容室の雰囲気や美容師の人柄がにじみ出る質問でもあります。
ここをインタビューで聞き取っておくと、たとえメインテーマに据えることはなかったとしても、記事の端々に散らすことで内容に深みが出ます

ビジネスモデルやマーケティング戦略について

同業者向けの記事やビジネス系の記事を書くための美容室・美容師取材では、ビジネス・経営目線での質問もおすすめです。

具体的には、美容室のビジネスモデルや経営理念、顧客獲得や集客のためのマーケティング戦略などが挙げられます。
特に美容室に対する取材や、フリーランスで活動している美容師さんに対する取材では、面白いトピックになるでしょう。

また、近年はSNSやオンラインプレゼンスを積極的に活用する美容室・美容師さんが増えています
非常に読者の興味をそそる内容なので、「SNS等をどのように活用して集客につなげていますか?」など、深堀りしてみましょう。

美容業界のトレンドや問題点について

同業者向けの記事やビジネス系の記事、美容学生向けの記事では、美容業界のトレンドや問題点について扱うのも良いでしょう。
単にトレンドや問題点を尋ねるだけではなく、それらに対する見解をヒアリングすることが重要です。

経験を重ねている美容師さんは、自分の所属する美容師や自身の技術に関することだけに留まらず、美容業界についての広い視野と熱い思いを持っている方が多いです。
スタッフと顧客としてコミュニケーションを取っているだけでは知り得ない、美容師さんの「本音」や「信念」などは、読者を強く惹きつけるでしょう。

働き方やワークライフバランスについて

近年は、どんな職業でも「働きやすさ」や「ワークライフバランス」が重要視されるようになっていますよね。
これらに関する質問は、美容学校に進学を希望している学生や、美容師志望の学生がターゲットの記事では、ほぼ確実に興味を持ってもらえる内容だと言えます。

働き方やスケジュール管理、ワークライフバランスを保つために工夫していること、休日の過ごし方等、「美容師の毎日」を読者がイメージできるようにヒアリングしましょう。
あわせて、美容師の仕事のやりがい・難しいと感じる点なども聞いておくと、より有意義な記事を書くことができますよ。

美容師・美容室インタビュー記事の例

最後に、美容室・美容師インタビューのおすすめ記事をご紹介します。
異なるアプローチの記事を5つ選びましたので、取材・ライティング時の参考にしてみてくださいね。

【タイトル】労働環境はブラック&ホワイト。2軸の“働き方改革”とは?

美容室・アイラッシュサロンを複数店舗展開する株式会社M.O.E/flammeumの代表取締役、望月真也氏のインタビュー記事。【HOTPEPPAR Beauty Academy】掲載。美容師の「給料」や「働き方」等のディープな内容に、軽快な口調とテンポで鋭く迫っている。

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【タイトル】現役の美容師に聞きました 美容室EARTH五反田店店長 津田 圭太郎さん

全国に展開する美容室EARTHで、五反田店の店長を務める津田氏のインタビュー。職業案内サイト【未来の職業研究】掲載。これから美容師を目指す読者向けに、美容師の仕事内容や毎日のスケジュール、仕事への情熱などが、親しみやすい口調で綴られている。

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【タイトル】訪問美容の世界をリアルインタビュー!現役美容師に聞いた業界事情とは

高齢・病気・障害などが理由で美容室に通えない方を対象とした「訪問美容」について、4名の訪問・介護美容師にインタビューした記事。【リクエストQJナビ】掲載。訪問美容の社会的意義、仕事のやりがい等について、4人それぞれの切り口で語られている。

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【タイトル】美容師もフリーランスの時代!1人のお客様と濃く、そして丁寧に

フリーランスの美容師として活躍する田中亜彌氏のインタビュー記事。【アイフリ】掲載。フリーランスになった理由や、SNS集客のノウハウ、お客様とのエピソードなどを紹介。近年増えてきた「フリーランス美容師」の実情や醍醐味を知ることができる。

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【タイトル】「頑張りたい想いに頑張れる環境で応える。」高い離職率の美容業界で美容室Londが離職率0を達成し続けている理由

株式会社Londの代表取締役・甲斐紀行氏のインタビュー記事。【Salon de Net】掲載。明確なテーマを美容室の「離職率の高さ」に絞り、対策の具体例が示される。美容室の開業を目指す人や、美容室の経営・運営について知りたい人に役立つ内容が満載。

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まとめ

美容室・美容師インタビューの取材対象者である経営者や美容師さんは、人とのコミュニケーションに慣れている場合が多いです。
しかし、個性に合わせた柔軟な対応が必要という点では、ほかの対人取材よりも難易度が高いと言えるかもしれません。
とはいえ、先方のコミュ力に甘えるすぎることなく、事前準備やインタビュー中の配慮は徹底しましょう!