ブライダル系取材のコツ!式場やプロフェッショナルたちの輝きを引き出すには?

ブライダル業界は、結婚式という特別な瞬間をクリエイトするプロフェッショナルたちのフィールドです。
人々の興味を強く引くテーマですし、ブライダル関連の職業に憧れている学生さんも多いでしょう。
そのため、ブライダル業界は取材ニーズがかなり高い業界のひとつに挙げられます。
ライターや編集者として活動しているなら、ブライダル系取材の知識やスキルを持っていて損はありません!
そこで今回の記事では、ブライダル系取材のノウハウを徹底的に紐解いていきたいと思います。

【こんな方におすすめ!】

  • ブライダル系の取材が初めてなので、基本的なノウハウを知りたい!
  • 結婚式を経験していない自分が、的を得た取材ができるのか不安…
  • 質の良いインタビューをして、スタッフや式場・企業の魅力をたっぷり伝えたい!

ブライダル系の取材記事には、いくつかの目的があります。
取材&執筆の際には、まず掲載する媒体や読者層を把握して記事の方向性を明確にしておく必要があるため、まずは目的を整理していきましょう。

目的1)結婚式場やブライダル関連企業のPR(顧客向け)

ブライダル業界は、結婚式場や関連企業同士の競争が激しい業界でもあります。
特に昨今は、ウエディングのスタイルが多様化しているため、顧客にとっては選択肢が非常に多い状況。

しかし、どんなに他との差別化を図っても、それを知る人が少なければ、競争で勝ち残っていくことはできません。
そのため、式場・企業が自身の独自性や特徴をアピールしたり、ブランドイメージを向上させたりする目的で、積極的に取材記事を発信することがあります。

取材記事は、ウエディングプランやサービスの詳細を読者に紹介する絶好のチャンスであり、個々の式場や企業が競争力を高めるための手段でもあるのです。

目的2)ブライダルに関する仕事内容の紹介(学生向け)

結婚式は、人生でもっとも輝く瞬間のひとつといっても過言ではありません。
人生の節目であり幸せな瞬間に立ち会える職業に憧れ、ブライダル業界への就職を希望する学生は非常に多いです。
そうすると、ブライダル業界に特化した専門学校なども必然的に増え、進学系やリクルート系の取材ニーズが高くなります。

この類の記事では、インタビュイー本人のバックグラウンド(例:ブライダル業界を志望したきっかけ・理由)、詳しい業務内容の紹介、仕事のやりがいなどを、的確かつ魅力的に発信することが求められるでしょう。

目的3)業界動向やトレンド、課題などの発信(同業者向け)

ブライダル系の取材記事は、同業者に向けた情報発信の手段でもあります。
業界の新しいトレンドや技術、消費者行動の変化などに関する知見を共有することは、業界全体の成長と発展につながるのです。

成功事例や革新的な手法を紹介することで、他の事業者はそれを参考にして、自身のビジネスに応用することができます。
ブライダル業界が直面している課題(例:サステナビリティ、ダイバーシティ、インクルージョン、新型コロナウイルスの影響など)について深く掘り下げ、解決策を探る機会にもなるでしょう。

さらには、取材記事を通じて他の業者やプロフェッショナルとのエンゲージメントが高まり、協力体制が築かれるかもしれません。

目的4)結婚式やウエディングストーリーの紹介(一般読者向け)

ブライダル系の取材記事は一般読者にとって、結婚式や準備に関するの理解を深めるための貴重な情報源です。
実際のウエディングストーリーや結婚式の現場を紹介すると、読者は具体的なイメージを持つことができ、自身の結婚式に対するインスピレーションが生まれます。
最新のトレンドや費用削減のアイデアなど、具体的なアドバイスも得られるでしょう。

結婚準備を始めたカップルにとっては特に有益ですし、幅広い読者が結婚式の意味や重要性を再認識する機会にもなります。
結婚式は新郎新婦だけではなく、その家族や友人・知人にとっても感慨深いもの。
今は式を挙げないカップルも増えていますが、取材記事がきっかけで「結婚式をやってみよう」という気持ちが芽生えることもありそうです。

ブライダル関連の仕事の種類は?

ブライダル系取材に臨む前に、関連する職業の種類と、それぞれの仕事内容を把握しておく必要があります。
というのも、ブライダル業界には多くの異なる職種が存在しているのです。
主な職業をリストアップしてみましたので、基礎知識として参考にしてください。

職種仕事内容
ウエディングプランナー           
(ブライダルプランナー)
ブライダル系の職種の中では認知度が高い職業で、結婚式の詳細なプランニングと実行を担当する。結婚式のコンセプト作り、会場の手配、ゲストリストの管理、招待状の発送などを含む、具体的なタスクの実行と調整を行う。結婚式当日の進行管理も担当し、式全体がスムーズに進むようアシストする。
ブライダルコンサルタント結婚式の全体的な計画と調整のサポート役。初期段階から関与することが多い。新郎新婦や家族に対し、結婚式のビジョンを具体化するためのアドバイスを提供したり、予算設定、ベンダー選択、スケジュール管理などを助ける。ウエディングプランナーと明確に区別せず、両方の役割を担う場合もある。
ブライダルデザイナー結婚式のドレスや装飾品のデザインを専門に行うプロフェッショナル。顧客の要求に応じてカスタムメイドのウエディングドレスやブライダルジュエリーを制作することもある。新郎新婦の個性、結婚式全体のテーマを反映する感性が必要。トレンドを把握しつつ斬新なデザインを生み出すことも。
ブライダルスタイリスト新郎新婦のヘアスタイルやメイクを担当する。新郎新婦の個性や結婚式のテーマに合わせたスタイリングを提案し、最高に輝けるスタイルで式に臨めるように努める。結婚式ならではのヘアメイク・メイク・着付けなど、通常の美容師やスタイリストとは異なる技術や知識を必要とする。
ブライダルフォトグラファー結婚式の様子を撮影するカメラマン。結婚式の重要な瞬間をとらえ、美しい写真や映像に残す。フォトウエディング需要の高まりによって、結婚式場だけではなく写真館などにも活躍の場が拡がっている。撮影だけではなく、写真や動画の編集技術が求められることも。
ブライダルフローリストウエディングに欠かせない「花装飾」を担当するプロフェッショナル。ブーケ、ブートニア(新郎の胸に飾る花)、会場の装飾など、花に関わるすべての要素を手がける。クライアントのビジョンを反映する芸術的センスとスキルに加え、花の種類や季節性、長持ちさせる方法など、さまざまな知識を必要とする。

ブライダル業界では、上記のような職種の人々が協力し合って、結婚式という素晴らしいイベントを作り上げています。
また、近年ニーズが高まっている婚活ビジネスなども、広義ではブライダル業界に含まれるかもしれません。
ブライダル系の取材に臨む際には、まずインタビュイーの職種について、しっかりと理解するところから始めましょう。

ブライダル系取材のコツ~①事前準備編~

ここからは、ブライダル系の取材を成功させるためのコツをご紹介します。
まずは事前調査の段階におけるポイントを具体的に解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

業界のトレンドや課題を把握する

ブライダル系の取材をする際には、業界のトレンドや課題に関する知識が必要です。
たとえば結婚式の様式、装飾、ドレスのスタイル、料理など、ブライダル業界における傾向や流行は常に変化しています。

インタビュアーが最新情報を理解したうえで質問を設定することで、読者に最新かつ有益な情報を提供できます。
また、業界についての深い理解があると、その課題や問題点を適切に捉えて深い議論を引き出すことができ、ブライダル業界の内側の複雑さやダイナミクスも伝えられるでしょう。

タイムリーかつ最新情報との関連性が高い情報は、幅広い読者にとって有益です。
関連ニュースやブライダル系メディアの記事などを取材前にリサーチして、質問の設定や記事構成に役立てましょう。

テーマや人物についての事前調査を行う

取材するテーマや場所、人物について事前に詳しい調査を行うと、より具体的で深い質問を設定し、有意義な回答を引き出すことができます。

取材記事でスポットを当てるのが「企業」や「結婚式場」である場合は、運営方針やアピールポイントをHP等でチェックしておくと良いでしょう。
「人」にフォーカスする記事を書く場合は、所属している企業や式場の基本情報に加えて、インタビュイーの経歴や専門分野についてもリサーチします。

事前調査は、インタビューで価値ある情報を最大限に引き出すための基盤となります。
深い洞察力と理解のもとで質問を設定し、インタビューを進めることができるので、結果として読者にとって有益で魅力的な記事を書くことができるのです。

質問リストを作成する

事前調査がひととおり終わったら、質問リストを作成しましょう。
質問リストの作成は、ブライダル系取材に限らず、すべての対人取材における基本です。

質問リストが手元にあると、効率よくインタビューを進めることができ、ヒアリング漏れも防げます。
記事の目的や方向性に沿って、事前調査した内容も盛り込みながら、質問を練り上げてみてください。

ひとつ注意点を挙げるとすれば、質問の数が多くなりすぎないようにすること。
余談の中でキラリと光る内容が出てくることもあるので、相手に自由に話してもらうための余白を持たせることも重要です。
可能であれば、質問リストを事前にインタビュイーにも共有しておくと、当日の対話がよりスムーズに進みますよ!

ブライダル系取材のコツ~②インタビュー編

次に、インタビュー当日に留意しておきたいことや、より有意義な話を引き出すためのコツを解説していきます。

相手の価値観を尊重する

ブライダル業界は、個人の感情や信念、価値観が大きく関わっている分野です。
百人いれば百人分の理想があり、「これが正解!」というものはありません。
結婚式という人生の特別なイベントを扱うには、その時々に出会う新郎新婦たちの感情や価値観、それぞれに異なるバックグラウンドなどを最大限に尊重する必要があります。

ブライダル業界で働く人々は、それを日常的に行っているプロフェッショナルたちであり、「相手を尊重すること」を非常に大切にしています
だからこそ、インタビュアーも先入観や固定観念にとらわれることなく、フラットな気持ちで取材に臨むことが求められるでしょう。

個々の経験や感情的な要素を引き出す

ブライダル系の取材では、ただ事実を伝えるだけではなく、インタビュイーの経験や感情を積極的に伝えることも重要です。
なぜなら、ブライダル業界は感情的な要素が非常に大きく、それこそが醍醐味だからです。

結婚式は人生でもっとも感動的な瞬間の一つであり、さまざまなドラマが詰まっています。
それは新郎新婦だけではなく、ウエディングを提供する側のプロフェッショナルたちにとっても同じこと。
インタビュイーの体験談や感情を紹介すれば、より鮮やかでリアルな記事になり、読者に深い理解と感情的な共感を促すことができるでしょう。

世の中には感情的な描写を控えたほうが良い記事も存在しますが、ブライダル系の取材では、むしろ歓迎される要素と言えそうです。

視覚的要素を最大限に活用する

こちらは言わずもがなですが、ブライダル業界はビジュアル的に最高の“映え”が期待できる分野です。
美しいドレス、装飾、会場、新郎新婦の幸せな姿─。
「ビジュアルが鍵になる業界」といっても過言ではないでしょう。

そのため、可能であれば記事内に写真や動画を掲載するのがおすすめ。
視覚的な要素を活用することによって、読者に具体的なイメージを提供して興味を引き付け、記事全体のインパクトも高まりますし、記事の内容も理解しやすくなります。

(ライターとしてはもどかしくもありますが)文字だけで実際の雰囲気を伝えることは難しい部分もあるので、画像や映像は有効活用しましょう!
ひとつ注意点としては、プライバシーにしっかりと配慮するようにしてくださいね。

ブライダル系取材の質問例

ブライダル系の取材で鉄板の質問や、記事作成に役立つ質問をリストアップしてみました。
有効な質問は記事の目的や方向性によっても異なるので、ご自身の案件に合わせてお役立てください!

この仕事を選んだきっかけ

進学系やリクルート系の記事では、「仕事のやりがい」等と並んで鉄板の質問。
ブライダル業界に憧れる学生さんは多いのですが、関連する職種が多岐にわたるため、どれを選ぶか迷っている人もいます。
ウエディングプランナー、ブライダルデザイナー、ブライダルスタイリストやフォトグラファー…。
数ある職種の中から選んだ「決め手」は、未来の後輩にとって大変貴重な情報です。

進学・リクルート系以外でも、プロフィールや記事内のトピックに盛り込みやすい内容なので、軽くヒアリングしてみると良いでしょう。

印象に残っているエピソード

結婚式は人生最大のイベントの一つであり、一つひとつの結婚式にドラマがあります。
プロフェッショナルたちが「特に印象的」と語るエピソードは、読者の興味を強く引き付けること間違いなし!

ブライダル業界を志望している学生、これから結婚式を挙げるカップルはもちろん、ブライダル業界への参入を検討している起業家や他業種の経営者などに対しても、大きな「きっかけ」を与えるかもしれません。

必ずしもポジティブな事例に限らず、困難を乗り越えたエピソードなども、読者の興味をそそりますよ。

クライアントのニーズを満たすための工夫

自身のウエディングを安心して依頼できる企業・式場を探しているカップルはもちろん、有効な施策や成功例を知りたい同業者にとっても役立つ情報です。

ブライダル業界は式場や関連企業同士の競争が激しく、独自のプランを作ったり接遇面を徹底したりと、各々があらゆる企業努力を重ねています。
その詳細は、顧客側から見ると企業・式場選択のための重要な要素ですし、同業他社にとっては自身のビジネスを改善・強化するための参考になるはずです。

サービスの特色・顧客に喜ばれているポイント

式場や企業のPRを目的とする記事を書くときには、必ずヒアリングしておきたい内容です。

昨今は結婚式の在り方が多様化しており、斬新なウエディングを提供している式場・企業も少なくありません。
その情報は、顧客層にとっては選択のための貴重な情報ですし、同業者も学ぶべきところが多々あるはず。

この類の取材は、オーナーやマネージャーなど責任者にヒアリングすることが多いので、トレンドや課題も踏まえて質問すると良いでしょう。

将来の目標やビジョン

「人」にフォーカスする記事・「式場」や「企業」にフォーカスする記事の両方で、オールマイティに使える質問です。
インタビュイーがブライダル業界をどのように把握し、自己成長やビジネスの進展を計画しているのかを理解できます。
また、業界の将来的なトレンドや変化を予測する手がかりにもなるでしょう。

プロフェッショナルたちのビジョンは、読者に新しい視点やインスピレーションを提供し、ブライダル業界に対する理解や関心を深める一助となるはずです。

ブライダル系のおすすめ取材記事

最後に、インターネット上に公開されているブライダル業界の取材記事の中で、おすすめ&参考になる記事を5本紹介します。

ブライダルプランナー 高田 麻理奈さんのインタビュー記事

記事タイトル:チームワークで作り上げる、お二人の幸せの舞台

高校生のための進路サイト【進路ナビ】に掲載。ブライダルプランナーを志したきっかけ、実際に携わっている仕事の詳細、学生時代の学びや経験が仕事にどう活きているか等、ブライダル業界を志望する学生に響く内容が漏れなく網羅されている。

「Dresses」ドレスコーディネーターの取材記事

記事タイトル:ドレスコーディネーターの1日 | 実際のコーデエピソードや仕事のやりがいをインタビュー

結婚相談窓口【Dresses】Webサイト掲載。ウエディングドレスショップ『Authentique』で、ドレスコーディネーターの1日を取材した記事。記事前半で1日の仕事の流れを紹介、後半でドレスコーディネーターへのインタビューと、盛りだくさんの内容!

「Budoono Mori Wedding」ブライダルフェア体験レポート

記事タイトル:ブライダルフェア体験レポート これから式場探しを始めるお2人にぶどうの森のブライダルフェアを体験してもらいました!

石川県金沢市にある結婚式場のWebサイトに掲載中のレポート。フェアの流れや式場の様子がよくわかり、ウエディングプランナーの竹田さん、ブライダルフェアを実際に体験したご夫婦のインタビューも盛り込まれている。

フラワーアーティスト 渡辺 礼人さんのインタビュー記事

タイトル:花はみんなの嬉しい気持ちを増幅してくれる。farver渡辺礼人さんが結婚式に全力を注ぐ理由とは

【マイナビウエディング】掲載。中目黒のフラワーショップ「farver(ファーヴァ)」の店長であり、フラワーアーティストとしても活躍する渡辺さん。ブライダルフローリストの仕事の奥深さや、トレンドの変遷なども学べる記事。

ウエディングプランナー 佐藤 彩香さんのインタビュー記事

タイトル:GOOD WEDDING AWARDはパワースポット!!!もっともっと結婚式が大好きになった!!

リクルート【ブライダル総研】Webサイト掲載。ウエディングプランナーのコンテスト「GOOD WEDDING AWARD」第12回目の開催で準グランプリを受賞した佐藤さん。仕事への思いや流儀がたっぷりと語られ、一つひとつの言葉がキラキラと輝く。

まとめ

幸せな笑顔で溢れ、人生でもっとも輝く瞬間の一つである結婚式。
ブライダルに携わるプロフェッショナルたちは、一つひとつの出会いや新郎新婦の思いを大切にしながら、真心をこめて式をプロデュースしています。

だからこそ、こちらも最大限の真心とリスペクトを示すことを忘れずに、インタビューに臨みたいものですね。
質の良い取材と執筆のために、この記事でご紹介してきたコツやポイントを役立てていただけたら幸いです!